フェルマーの最終定理

 

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フェルマーの最終定理(フェルマーのさいしゅうていり、Fermat’s Last Theorem)とは、3 以上の自然数n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (xyz) は存在しない、という定理のことである。フェルマーの大定理とも呼ばれる。ピエール・ド・フェルマーが驚くべき証明を得たと書き残したと伝えられ、長らく証明も反証もなされなかったことからフェルマー予想とも称されたが、フェルマーの死後360年経った1995年アンドリュー・ワイルズによって完全に証明され、ワイルズの定理あるいはフェルマー・ワイルズの定理とも呼ばれるようになった。

概略

17世紀フランス数学者ピエール・ド・フェルマー1601年 – 1665年)は、古代ギリシアの数学者ディオファントスの著作『算術』を読み、本文中の記述に関連した着想を得ると、それを余白に書き残しておくという習慣を持っていた。それらは数学的な定理あるいは予想であったが、限られた余白への書き込みであるため、また充分な余白がある場合にも、フェルマーはその証明をしばしば省略した(たとえばフェルマーの小定理として知られる書き込みを実際に証明したのはゴットフリート・ライプニッツである) 。

48か所に及ぶこれらの書き込みが知られるようになったのは、フェルマーの没後、彼の息子サミュエルによって、フェルマーの書き込み入りの『算術』が刊行されてからである。

第2巻第8問「平方数を2つの平方数の和に表せ」の欄外余白に、フェルマーは

Cubum autem in duos cubos, aut quadratoquadratum in duos quadratoquadratos, et generaliter nullam in infinitum ultra quadratum potestatem in duos eiusdem nominis fas est dividere cuius rei demonstrationem mirabilem sane detexi. Hanc marginis exiguitas non caperet.

と書き残した。彼の残した他の書き込みは、全て真か偽かの決着がつけられたが、最後まで残ったこの予想だけは、誰も証明することも反例を挙げることもできなかった。そのため「フェルマーの最終定理」と呼ばれるようになった。

個別研究の時代

n = 4:フェルマー

フェルマー自身の証明は、ディオファントスの『算術』に記された45番目の書き込みに含まれている。フェルマーは以下の手法、法則、定理を使い証明した。

  • 指数法則に従って x4 + y4 = z4 を (x2)2 + (y2)2 = (z2)2 に変換し、ピタゴラス数の性質を利用する。
  • xyz は互いに素であるとす る。
  • 定理「互いに素である2つの数の積が平方数であるならば、2つの数もそれぞれ平方数である。」
  • x を偶数、zy を奇数とする。
  • 偶数と奇数の性質
  • 無限降下法

n = 5:ジェルマン、ディリクレ、ルジャンドル

1823年ソフィ・ジェルマンは、フェルマー予想を奇素数 p に対して、 xp+yp=zp において、

第一の場合

xyz のいずれも p で割り切れない

第二の場合

xyz のいずれかが p で割り切れる

という2つのケースに分類し、p と 2p+1 が共に素数の場合について、「第一の場合」に関してはフェルマー予想が正しいことを証明した[10]

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